インターフェイスに対する透過プロキシ

前回の DLR で名前付き引数を使うでは、メソッドに引数として「キーと値のペア」を渡す方法を考え、
動的言語ランタイム (DLR) を利用する方法を紹介しました。
しかし、同じ処理を複数の場所で呼び出す必要があるなど、再利用性を重視する場合は、
なるべく静的にシグネチャを解決する方法がよいでしょう。

そこで今回は、呼び出すサービスをインターフェイスとして定義し、透過プロキシ (transparent proxy) を利用してみます。
先にコードを示します。

このコードでは、RealProxy クラスを継承した HttpProxy<IService> クラスを作成しています。
RealProxy はプロキシの実体となるものであり、
その外層である透過プロキシを RealProxy.GetTransparentProxy メソッドで取得できます。

一方、利用する側の Program.cs では、ICgisService インターフェイスを定義しておきます。
その透過プロキシを生成すれば、ICgisService インターフェイスを実装するクラスが存在しなくてもメソッドを呼び出すことができ、
実体は HttpProxy<IService> クラスの Invoke メソッドとなります。

また、BaseUriAttribute クラスを定義しており、
呼び出される Web API のベースとなる URI を属性で指定できるようにしています。

WCF における契約プログラミングでは、クライアント側とサーバー側で同一のインターフェイスを利用し、
クライアント側からのアクセスを上記のように透過プロキシで実装する方法があります。
方法 : ChannelFactory を使用する にある通り、ChannelFactory.CreateChannel メソッドで透過プロキシを生成します。

前回:DLR で名前付き引数を使う

作成したサンプル
TransparentHttpConsole (GitHub)

バージョン情報
C# 7.0
.NET Framework 4.5

参照
RealProxy クラス
方法 : ChannelFactory を使用する

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DLR で名前付き引数を使う

C# で、メソッドに引数として「キーと値のペア」を渡す方法を考えてみます。
例えば HTTP で GET でアクセスするときに URL でクエリ文字列を指定する場合が挙げられます。

よく使われているのは、メソッドの引数に Dictionary や匿名型オブジェクトを渡す方法かと思います。
以下の HttpHelper クラスのように実装します。
なお、WebClient クラスではクエリ文字列 (QueryString プロパティ) は NameValueCollection 型であるため、
受け取った情報を NameValueCollection 型に変換しています。

なお、ここでは題材として CGI’s 郵便番号検索 API を利用しています。

さて、動的言語ランタイム (DLR)名前付き引数を利用して、引数の情報を実行時に解決できないかと考えると、
次のような方法を思いつきます。

dynamic http = new DynamicHttpProxy();
var result = http.Get(Uri_Cgis_Xml, zn: "402", ver: 1);

実際、DynamicObject クラスを継承した DynamicHttpProxy クラスを次のように作れば可能です。

TryInvokeMember メソッドの中で、引数の名前は binder.CallInfo.ArgumentNames で取得できます。
ただし、引数の名前を指定せずに渡された分はここに含まれない (コレクションの長さが変わる) ため注意が必要です。

 

また、C# 7.0 で追加された ValueTuple を利用して、

var result = HttpHelper.Get(Uri_Cgis_Xml, (zn: "6050073"));

とする案もありましたが、

  • 要素が 1 つ以下の場合、タプル リテラルを記述できない
  • コンパイル後はフィールド名が残らないため、実行時に動的に取得できない

という制約により実現できませんでした。

次回:インターフェイスに対する透過プロキシ

作成したサンプル
DynamicHttpConsole (GitHub)

バージョン情報
C# 7.0
.NET Framework 4.5

参照
動的言語ランタイムの概要
名前付き引数と省略可能な引数
タプル – C# によるプログラミング入門

スティック PC をリモートで操作できるようにする

マウスコンピューターのスティック PC「MS-NH1-W10」を購入直後にセットアップしたときのメモです。
他の PC からリモートで接続できるように設定するところまでです。

スティックPC MS-NH1-W10
スティックPC MS-NH1-W10

搭載されている OS は Windows 10 Home です。
初回は USB 接続のキーボードまたはマウスが必要になります。ここではマウスのみで操作してみます。

 

OS 初期設定まで

初めて電源をオンにすると、OS の初期設定が始まります。

  • スティック PC 本体を電源、マウス、ディスプレイと接続する
  • 電源をオンにする
  • ネットワーク設定はスキップでよい
  • ユーザー名を入力する
    • 以降はパスワードの入力なしで OS を起動させるため、パスワードは設定しない
    • 入力にはスクリーン キーボードを利用

 

OS 起動後

OS が起動したら、まずは次のようなスクリーン キーボードを使えるようにします。

スクリーン キーボード

スクリーン キーボードを起動するには、[設定] → [簡単操作] → [キーボード] の画面で設定するか、
スタート メニューの [Windows 簡単操作] から選択します。

1-Keyboard-Settings

1-Keyboard-Start

 

スクリーン キーボードを使えるようになったら、コンピューター名 (PC 名) を変更して再起動します。

2-ComputerName

 

リモート接続

Windows 10 Home では、OS 標準のリモート デスクトップ接続を利用できません。
そこで、TeamViewer などを利用してリモート接続できるようにします。

  • ネットワークに接続 (ワイヤレス LAN)
  • TeamViewer を検索してダウンロード
  • TeamViewer をインストールしてリモート接続設定

以上の設定ができれば、このスティック PC に他の PC からリモート接続できるようになり、
これ以降、USB 接続のマウスは不要となります。

Leap Motion v1 が自動でアップグレードされないようにする

Leap Motion Controller のソフトウェアは、v2 よりも v1 のほうがトラッキングの精度自体は高いため、
v1 を利用したいケースも依然としてあります。

Leap Motion v1 の実行環境をセットアップするには、
Leap Motion のセットアップで書いた通りインストーラーを実行したあと、
コントロール パネルを開いて [最新版を自動的にインストール] のチェックをオフに設定します。

Leap-v1-ControlPanel

この設定変更をしないと、しばらく経つと自動的に v2 のインストーラーをダウンロードしてアップグレードしてしまいます。

問題はここからです。
v2 にアップグレードしてしまったとしても「v2 アンインストール& v1 再インストール」でやり直せると思いきや、
なんと v1 を再インストールした直後に間髪入れずに v2 にアップグレードされてしまいます。

これはどうやら、最初に v2 にアップグレードしたときに使用したインストーラーが
    C:\Windows\Temp\leap
に残っていることが原因のようです。

Leap 2.3.1 Installer

このインストーラーを削除してから v1 のインストーラーを再実行すれば解決します。

// 他にも、ユーザー フォルダーの「AppData\Local\Temp\~nsu.tmp」フォルダーに .exe ファイルが残ってたりしますが、
// こちらは直接影響しないようです。

参照
Leap Motion のセットアップ

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Logic Apps から Slack に通知する

以前に Bot Framework で Slack の bot を構成するを書きましたが、
今回はこの素因数分解の bot を Logic Apps で作成してみます。
自然数をランダムに生成して素因数分解してその結果を Slack に通知する、
というのを 10 分間隔で実行することにします。

まず、Azure ポータルで Logic App を作成します (手順は初めてのロジック アプリの作成を参照)。
名前は、グローバルに一意である必要はありません。

次に、デザイナーでロジックを追加していきます。
完成したワークフローを先に示します。

 

以下は、各アクションについての説明や注意点です。

(1) 繰り返し (Recurrence)
最初のトリガーとして [繰り返し] を選択し、10 分間隔で実行されるようにしています。

(2) Azure Functions
アクションとして [Azure Functions] を選択すると、同じアカウント内で作成済みの関数を選択できます。
([HTTP] というアクションで URL を指定する方法もあります。)

Logic-Apps-Functions

ここでは、前回の Azure Functions で Web API を作成するで用意した Azure Functions の 2 つの関数を利用します。

(3) データ操作 – JSON の解析
前の関数からは

{ "result": "5439 = 3 ・ 7^2 ・ 37" }

という形式の JSON が返るため、あとで必要になる文字列 (result プロパティの値) を取り出すためにこれを解析します。
[スキーマ] は、この JSON を入力すれば作成されます。

(4) Slack – 投稿メッセージ
投稿先のチャネルとメッセージを指定します。
初回の設定時にはアカウントを認証する必要があります。Logic Apps 上の画面で失敗する場合は、[API 接続] から設定できます。

Logic-Apps-Slack

 

以上で完成です。
下図は Slack のスクリーン ショットです。

Factorization-Slack

 

前回: Azure Functions で Web API を作成する

参照
Flow、Logic Apps、Functions、WebJobs の比較
Logic Apps とは
Azure Functions を使用したロジック アプリのカスタム コードの追加と実行

Bot Framework で Slack の bot を構成する

Azure Functions で Web API を作成する

Azure Functions では、単機能の Web API やバッチを作成することができます。
とくに、Web アプリケーション全体を構築する必要がなく、開発者が管理するのは関数のソースコードのみで済むという利点があります。

Azure Functions で関数を作成するための詳細の手順は Azure Portal で初めての関数を作成するに記載されていますが、
概略は以下の通りです。

  • Function App を作成する
    • この段階では、Web サイトが作成されるのみ
    • Web サイトとして作成されるため、名前はグローバルに一意でなければならない
  • 関数を作成する
    • 一つの Function App に、複数の関数を作成できる
    • シナリオに応じてテンプレートを選択する
    • 言語が C# の場合、関数は、拡張子が「.csx」のファイルで表される
    • このポータル上で、コードの修正とテストができる

Azure-Functions-App  Azure-Functions-Files

 

以下では、Web API を作成するときに選択できるテンプレートについて書いていきます。
Web API を作成するには、「HTTP トリガー」を利用することになります。

Azure-Functions-Templates-API

HTTP トリガーでは、以下のことができます。

  • 利用できる HTTP メソッド (GET, POST など) を指定できる
  • 「Shops/{id:int?}」 のように URL ルーティングを指定できる (パラメーターは Run メソッドの引数になる)
  • 応答の本文は JSON になる。new { message = "Hello." } のようなオブジェクトも指定できる

HTTP トリガーには、以下のテンプレートがあります。

  • HttpTrigger
    • 汎用の HTTP トリガー
  • HttpTriggerWithParameters
    • パラメーターとしてクエリ文字列を利用する場合のテンプレート
    • HTTP メソッドは GET のみ有効
  • GenericWebHook
    • Webhook のテンプレート
    • 規約上は POST で本文に JSON を送るものだが、かまわず通常の HTTP トリガーとしても使えるっぽい

 

例として、簡単な Web API を作ってみます。

こちらはランダムに自然数を生成するもので、入力データを必要としていません。
HttpTrigger テンプレートから作っています。

次は、入力された自然数を素因数分解する関数です。
以前に Bot Framework で Slack の bot を構成するで作成したメソッドを再利用しています。
こちらは GenericWebHook テンプレートから作っており、要求の本文に { "n": 123 } のような JSON が渡される想定です。

本文がテキストの場合は req.Content.ReadAsStringAsync() としてもよいですが、JSON の場合は

dynamic data = await req.Content.ReadAsAsync<object>();

とすればよいでしょう。

また、クエリ文字列からの入力は req.GetQueryNameValuePairs() で読み込むことができます。

 

なお、下図はデータと連携したバッチを作成するときのテンプレートです。

Azure-Functions-Templates-Data

 

次回は、これらの関数を使って Logic Apps で Slack bot を作ってみます。

次回: Logic Apps から Slack に通知する

作成したサンプル
AzureFunctionsSample (GitHub)

参照
Azure Functions の概要
Azure Functions における HTTP と Webhook のバインド

Bot Framework で Slack の bot を構成する

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Leap Motion で手の回転状態を取得する

Leap Motion Controller の公式 SDK では、手の回転の状態をオイラー角で取得できるようになっています。
具体的には、Hand.Direction (Vector オブジェクト) の Yaw, Pitch, Roll プロパティが用意されています。
ただし、Hand クラスの説明を参照すると、 ロールについては Direction.Roll ではなく PalmNormal.Roll を使うように書かれています。

float pitch = hand.Direction.Pitch;
float yaw = hand.Direction.Yaw;
float roll = hand.PalmNormal.Roll;

しかし、これらの値を使って実装してみても、期待通りの動作にはなりません。

そこで、前回の 3D における回転の表現と相互変換の内容をもとに、手の回転の状態を取得する機能を自作しました。

Hand.Direction と Hand.PalmNormal はともに長さ 1 で直交しているため、
これらをそれぞれ (0, 0, -1) と (0, -1, 0) の回転後のベクトルと見なして、
前回作成した Rotation3DHelper クラスを利用してオイラー角を求めれば OK です。

全体のソースコードは HandRotationLeap (GitHub) にあります。
このサンプルでは、手とさいころの回転の状態を同期させています。

Hand Rotation by Leap Motion Controller

前回: 3D における回転の表現と相互変換

バージョン情報
.NET Framework 4.5
Leap Motion SDK 2.3.1

参照
Hand クラス